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車屋のYouTube企画|再生される企画・されない企画の分かれ目

車屋のYouTube企画|再生される企画・されない企画の分かれ目

「YouTubeを始めたけど、次に何を撮ればいいか分からない」
「在庫紹介を出しているけど、100回くらいで止まる」

車屋さんのチャンネルを見せていただくと、この2つはほぼセットで出てきます。そして多くの場合、撮り方や編集ではなく企画の選び方と、数字の見方で止まっています。

この記事を書いているのは、株式会社8fectの渡邊です。二輪部品商で3年、輸入車専門の販売店で5年、売る側の現場でSNS運用と映像制作を担当し、いまは中古車販売店などの車屋さん・バイク屋さん専門の運用代行として累計40社以上を支援しています。複数のチャンネルを横に並べて見ていると、業種も予算も違うのに、伸びる企画と伸びない企画の傾向はかなりはっきり分かれます。

ただし、ここで一つ先に言っておきたいことがあります。「伸びない企画=やる意味がない企画」ではありません。再生数はそこまで出ないのに、来店するお客様が必ず見ている動画というものが、車屋には確実に存在します。この記事では、その両方を整理します。

結論:企画は「再生数で測るもの」と「刺さりで測るもの」に分かれる

先に結論です。車屋のYouTube企画は、役割の違う2種類に分けて考えてください。

  1. 再生数で測る企画:まだお店を知らない人が検索している疑問に答え、新しい人を連れてくる動画
  2. 刺さりで測る企画:再生数は伸びなくても、買う直前の人が必ず見て、来店の決め手になる動画。

伸びない企画の多くは、①のつもりで作っているのに検索されない内容になっているか、②なのに再生数で判断されて打ち切られているか、どちらかです。順に見ていきます。

伸びにくい企画の3タイプ

① スペックを読み上げるだけの在庫紹介

いちばん多いパターンです。「本日入庫しました。年式は◯◯、走行は◯◯km、装備は……」と、カメラが車を一周して終わる構成。

この情報は、グーネットやカーセンサーのほうが整理されていて、比較もできます。ポータルサイトが得意な仕事を、動画でやり直している状態です。人が映らず、誰に向けた車なのかも語られない在庫紹介は、その車に興味がある人にすら最後まで見てもらえません。

ただし、在庫紹介そのものが悪いのではありません。この点はあとで詳しく書きます。

② 店側の告知・イベント報告

「決算セールやります」「展示会に出展しました」「スタッフが増えました」。大事な情報ではありますが、それを見たい人はすでにお店を知っている人だけです。新しい人には届きません。告知はストーリーズや投稿で出せば十分で、動画1本の枠を使う必要はないことが多いです。

③ 同業にしか通じない内輪ネタ

陸送、オークション、業販の話。作っている側は面白いのですが、見ているのは同業者です。コメントは盛り上がるのに問い合わせが来ない、というときは、だいたいこの層に届いています。同業に見られること自体は悪くありませんが、それはお客様を集める企画ではない、と分けて考える必要があります。

再生数で測る企画:伸びやすい5つの型

型企画の中身タイトル例
①不安解消買う前に怖いことに答える「◯◯の年間維持費、正直に全部お見せします」
②予算で切る金額を軸に選択肢を並べる「100万円台で買っていい車・ダメな車」
③比較迷っている2択に決着をつける「◯◯と◯◯、結局どっちを買うべきか」
④裏側普段見えない工程を見せる「納車前に、店が実際にやっていること全部」
⑤警告失敗のパターンを先に潰す「この買い方をすると絶対に後悔します」

この5つに共通するのは、まだお店を知らない人でも見る理由があることです。①〜③は検索されるので、投稿した何年もあとに見られ続けます。④と⑤は「知らなかった」と思わせるので、最後まで見てもらいやすくなります。

刺さりで測る企画:「人が出る在庫紹介」はポータルには作れない

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。在庫紹介は、スペックを読み上げるだけなら伸びません。しかし営業や社長が画面に出て、その人の言葉で語る在庫紹介は、まったく別のものになります。

ポータルサイトに載らない3つのこと

グーネットやカーセンサーには、年式も走行距離も価格も載っています。載っていないのは次の3つです。

  1. 誰が売っているのか:話し方、車への向き合い方、店の空気
  2. どんな人に乗ってほしいのか:「この個体は、週末に遠出する人より毎日乗る人に向いている」
  3. どう使うのがおすすめか:「この装備はこう使うと化ける」「この年式ならここは早めに手を入れたい」

この3つは、ポータルには構造上どうやっても載せられません。そして車を買うお客様が、最後に知りたいのはまさにここです。

スペック読み上げ型人が出る在庫紹介
映っているもの車だけ車と、売っている人
語っていること年式・走行・装備・価格誰に向いているか・どう使うか・なぜこの値段か
ポータルとの関係下位互換ポータルにない情報を補う
見る人その車を探している人の一部その車を本気で検討している人
再生数出ないそこまで出ない
来店への効き方弱い強い。「動画の人に会いに来た」になる

再生数は伸びなくていい。見るべき数字が違う

人が出る在庫紹介は、再生数だけで見ると地味です。1本で何万回という数字にはなりにくい。だから「在庫紹介は伸びないからやめよう」と判断されがちなのですが、これは測る物差しを間違えています。

この種の動画を見ているのは、その車をすでに候補に入れている人、つまり買う直前の潜在層です。母数が小さいので再生数は出ません。しかし、その人たちにはほぼ確実に届いて、来店の決め手になります。「動画で説明していたあの車が欲しい」という来店が起きるのは、まさにこの動画です。

実際、設計ができている支援先では、YouTubeを見て来店されたお客様について来店後の商談時間が約50%短くなり、月間の平均販売台数が200%を超えた例もあります(8fect調べ/一部の支援先での実績・YouTube視聴経由の来店客についての数値)。来店前に、車の説明も、誰が売っているかも、すでに伝わっているからです。

見るべきなのは再生数ではなく、視聴維持率、来店時に「動画見ました」と言われた回数、その動画から問い合わせが来たかどうかです。

「人が出る在庫紹介」の作り方

難しいことは要りません。スペックの読み上げを台本から外して、次の3つを営業や社長の言葉で話してもらうだけです。

  • この車を、どんな人に乗ってほしいか(生活・使い方・好みで具体的に)
  • 自分ならこう使う、という提案(装備の活かし方、手を入れるなら順番)
  • この個体をなぜ仕入れたのか(状態、前オーナーの扱い、値付けの理由)

話す人の性格はそのまま出して構いません。流暢である必要もありません。むしろ朴訥に「この車、正直ここは弱いけど、ここが好きなんです」と話しているほうが、信頼されます。ポータルに載っていないのは情報ではなく「人」なので、人が出ていれば目的は果たせています。

企画は会議で出すものではなく、店頭で拾うもの

「再生数で測る企画」のネタは、考えるものではなく拾うものです。答えはお客様の質問の中にあります。

お客様の質問動画タイトル
「輸入車って維持費高いですか?」「輸入車の年間維持費、正直に全部教えます」
「この価格帯で本当に大丈夫?」「100万円台の輸入車、買っていい車・ダメな車の見分け方」
「修理ってどのくらいかかりますか?」「知らないと損する、修理費用の相場を公開します」
「他店で買った車でも見てもらえますか?」「他店購入車の整備、うちが受ける条件を説明します」

1日に何度も聞かれている質問は、同じだけ検索もされています。店頭でメモを取るだけで、企画は毎月勝手に貯まります。スタッフさんに「今週いちばん多かった質問は?」と聞くだけでも十分です。

同じ企画でも、最初の3秒で結果が変わる

企画が良くても、冒頭で見る理由が伝わらなければ離脱されます。とくにショート動画は、最初の3秒で指が止まらなければ内容にたどり着きません。

  • 禁止・警告型:「この買い方は絶対にダメです」
  • 数字・実績型:「日本に数台しかない個体が入りました」
  • 意外性型:「実はこのカスタム、車検通ります」
  • 逆張り型:「新車より、この年式の中古を勧めます」
  • 問いかけ型:「この車、いくらだと思いますか?」

フックの作り方はInstagramのリールと共通するので、車屋がInstagramで集客するにはもあわせて読んでみてください。

再生数が出ても意味がない企画もある

逆の話も添えておきます。伸びやすい企画を追いかけすぎると、再生は取れるのに来店につながらない、という状態になります。

典型的なのは、超高額車や珍しい車ばかりを扱う企画です。視聴者は集まりますが、集まっているのは見て楽しむ人であって、自店の価格帯で買うお客様ではありません。流行りのフォーマットに乗る企画も同じで、集まった層と買い手がずれます。

企画を選ぶときは「これは伸びるか」だけでなく、「これで集まった人は、うちで買う人か」を必ずセットで考えてください。詳しくはYouTubeが伸びない会社の共通点5つにまとめています。

よくある質問

Q. 在庫紹介の再生数が少ないのですが、やめるべきですか?

A. 人が出ていて、誰に向いているか・どう使うかを語れているなら、やめないでください。過去の取り扱い車種を見せることでお店の実績や資産にもなりえます。その動画は再生数で測るものではありません。来店時に「動画見ました」と言われているか、その動画経由で問い合わせが来ているかで判断してください。逆に、スペックを読み上げているだけなら、作り方を変えるべきです。

Q. 企画は何本くらいストックしておくべきですか?

A. 撮影日ごとにまとめ撮りするなら、1回の撮影で3〜4本ぶんの企画を用意しておくと止まりません。「再生数で測る企画」を店頭の質問から貯めておき、入庫があれば「人が出る在庫紹介」を足す、という組み合わせにすると、企画に困らなくなります。

Q. 企画を外注に丸投げできますか?

A. たたき台までは任せられますが、店頭で実際に聞かれている質問と、「この車を誰に乗ってほしいか」は店側にしかありません。運用会社が出せるのは「型」と「構成」で、中身の一次情報は現場から出ます。逆に言えば、そこさえ共有してもらえれば企画は回せます。

まとめ

  • 車屋のYouTube企画は「再生数で測る企画」と「刺さりで測る企画」の2種類。物差しを混ぜると判断を誤る
  • 伸びにくいのは、スペック読み上げの在庫紹介・店側の告知・同業向けの内輪ネタ
  • 再生数で伸びやすいのは、不安解消・予算で切る・比較・裏側・警告の5つの型。ネタは店頭の質問から拾う
  • 人が出て「誰に乗ってほしいか」「どう使うか」を語る在庫紹介は、ポータルには作れない。再生数は伸びなくても、買う直前の人に確実に刺さる
  • 伸びるかどうかと同時に、「集まった人がうちで買う人か」を必ず見る

まずは次の入庫車で、スペックを読まずに「この車、誰に乗ってほしいですか?」と社長や営業に聞いて、その答えをそのまま撮ってみてください。それが、ポータルには絶対に載らない1本になります。

車屋・バイク屋専門のSNS運用代行・映像制作なら8fect

株式会社8fectは、車屋さん・バイク屋さん・関連事業者に特化したYouTube・Instagram運用代行と映像制作を行っています。元二輪部品商・元輸入車専門店スタッフとして10年以上現場にいた代表が、企画の設計から撮影・編集までを一貫して行います。

「うちの在庫と客層なら、どんな企画が合うのか」という段階のご相談も歓迎です。実績・サービス内容・料金は公式LINEからご確認いただけます。

この記事を書いた人

渡邊 大地(わたなべ だいち)/株式会社8fect 代表取締役

二輪部品商で3年、輸入車専門販売店で5年。EC立ち上げ、SNS運用、映像制作を売る側の現場で担当してきました。2026年1月に独立し、いまは中古車販売店などの車屋さん・バイク屋さんだけに特化して、YouTube・Instagramの運用代行と映像制作をしています(累計40社以上を支援)

大阪自動車青年会議所、近青協情報委員会、滋賀自動車整備振興会などで、車屋・バイク屋向けのSNS運用について講師を務めています。大阪府在住。

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