本文へスキップ

YouTubeが伸びない車屋さん/バイク屋さんの共通点5つ|運用代行が見た現場

YouTubeが伸びない車屋さん/バイク屋さんの共通点5つ|運用代行が見た現場

「YouTubeを始めて半年経つけど、再生数も問い合わせも増えない」

車屋さん・バイク屋さんの社長から、いちばんよく聞く相談です。

撮影も編集も外注した。週1本、ちゃんと投稿している。それでも数字が動かない。こうなると「うちの業種はYouTubeに向いてないのかも」という結論に行き着きがちです。

でも、運用代行として何社も並行して見ていると、伸びない会社には業種でも予算でもなく、驚くほど同じ5つの特徴があることが分かります。逆に言うと、そこさえ変えれば動き出す会社がかなりあります。

この記事を書いているのは、株式会社8fectの渡邊です。二輪部品商で3年、輸入車専門の販売店で5年、ECとYouTube・Instagramの運用と映像制作を現場でやってきました。今は中古車販売店などの車屋さん・バイク屋さん専門のSNS運用代行として累計40社以上を支援しています。「元・車屋側の人間」として、依頼する側の事情も、受ける側の事情も両方見てきた立場から書きます。

結論:YouTubeが伸びない会社に共通する5つのこと

先に全部お見せします。心当たりがあるものが2つ以上あれば、動画の内容より先に、そこを直したほうが早いです。

  1. 社内に「返事をする人」がいない
  2. 「誰が出るか」を決めないまま始めている
  3. 再生数とフォロワー数をKPIにしている
  4. ショート動画だけ、または長尺だけで終わっている
  5. 半年経たないうちに「効果がない」と判断している

前提:企業の62.7%がYouTube運用を撤退・中止している

まず、うまくいかないのはあなたの会社だけではない、という話から。

株式会社アカシアが2026年2月に実施した調査(YouTubeを自社で運用中、または運用経験がある企業担当者303名が対象)によると、62.7%にあたる190名が「過去にYouTube運用を撤退・中止した経験がある」と回答しています。3社に2社が一度は止めている計算です。

撤退・中止の理由として多かったのは、次の3つでした。

撤退・中止の理由回答数(190名中)
営業成果に繋がらなかった78名(41.1%)
再生数が伸びず成果が見込めなかった75名(39.5%)
継続投稿が困難であった72名(37.9%)

出典:株式会社アカシア「YouTube運用の撤退・失敗に関する実態調査」(2026年2月12日実施・有効回答303名)

注目したいのは、1位が「再生数」ではなく「営業成果」だという点です。つまり多くの会社は、再生数が伸びなかったから止めたのではなく、再生数が伸びても売上につながらなかったから止めている。ここが、これから話す5つの共通点の全部につながります。

共通点①:社内に「返事をする人」がいない

運用代行をしていて、いちばんしんどいのは再生数を伸ばすことではありません。企画を送っても、返事が返ってこないことです。

止まるときは、だいたい社内で止まる

企画案を10本送る。1本も返信が来ない。1ヶ月後に「最近動画上がってないよね」と言われる。運用が止まる案件は、ほぼ例外なくこの流れをたどります。動画が悪かったわけでも、企画が刺さらなかったわけでもなく、単純に社内で誰も判断していないだけです。

車屋さん・バイク屋さんは、そもそも現場が忙しい業種です。接客、査定、納車、整備、車検。そこにSNSの企画確認が乗れば、優先順位は最後になります。これは会社が悪いのではなく、「誰が・いつ返すか」を決めずに始めた設計の問題です。

対策:役職ではなく「返信できる人」を窓口にする

窓口は社長でなくて構いません。むしろ社長は一番つかまらないので、現場のスタッフさんに任せたほうがうまく回ることが多いです。決めるべきは3つだけ。企画に返事をする人は誰か、返事の期限は何日か、その人が判断できない内容は誰に上げるか。これを最初の打ち合わせで文字にしておくだけで、止まる確率がかなり下がります。

共通点②:「誰が出るか」を決めないまま始めている

車は高額で、買ったあとも整備や車検で長く付き合う商材です。だからお客様は「安いか」だけでなく「信頼できる人・店か」で選びます。

ところが店の信頼性は、店頭に立たないと伝わりません。動画は、社長やスタッフの顔・人柄・店の雰囲気・専門知識を、来店前に丸ごと伝えられる唯一の手段です。ここを使わず在庫の映像だけを流しているチャンネルは、ポータルサイトの下位互換にしかなりません。写真も情報も、カーセンサーやグーネットのほうが揃っているからです。

出演者が決まらない会社は、撮影日も決まらない

「今日は誰が出る?」を毎回その場で決めている会社は、撮影自体が流れます。逆に「毎月第2火曜の午前は撮影、出るのは社長と◯◯さん」と固定できている会社は、企画が多少弱くても本数が積み上がるので結果的に伸びます。顔出しに抵抗があるなら、手元・作業・音だけで成立する企画もあります。大事なのは出る人と撮る日を先に固定してしまうことです。

共通点③:再生数とフォロワー数をKPIにしている

これが一番誤解されやすいところです。SNS運用=バズらせること、フォロワーを増やすこと、と思われがちですが、車屋さん・バイク屋さんにとってのゴールは再生数でもフォロワー数でもありません。いかに信用してもらうか、いかに売上につなげるかです。

バズっても売れない理由は4つある

再生数が爆発したのに問い合わせがゼロ、という現象には、だいたい次のどれかの理由があります。

  • バズった層と、実際にクルマを買う層がまったく違う
  • 面白さで取りにいった結果、お店のブランドイメージと合わなくなっている
  • 動画から来店・問い合わせへの導線が用意されていない
  • 「面白い動画の店」として認識されて終わっている

クルマは「今日見て今日買う」商材ではありません。数ヶ月後、1年後に動くお客様が大半です。だからSNSの本当の役割は、まだ買うと決めていない潜在顧客に普段から接触し続けて、いざ買い替えのタイミングで真っ先に思い出してもらうことにあります。追うべき数字は、来店数・問い合わせ数・成約数です。

共通点④:ショート動画だけ、または長尺だけで終わっている

ショート動画と長尺のYouTubeは、役割がまったく違います。どちらか一方だけをやっている会社は、どれだけ本数を出しても売上につながりません。

ショート動画(リール/Shorts)YouTube 長尺
役割認知拡大(存在を知ってもらう)顧客教育(信頼して来店を決めてもらう)
尺3〜60秒8〜15分
強みフォロワーゼロでも新しい人に届く専門知識・人柄・店の雰囲気が伝わる
これだけだと知られるが、来店の決め手にならない深いが、そもそも見つけてもらえない

ショートで「知ってもらう」、長尺で「信頼してもらう」。両方そろって初めて、SNSは売上を作る武器になります。ショートだけで再生数は出ているのに問い合わせがない会社は、受け皿になる長尺がありません。長尺だけを丁寧に作っている会社は、内容は良いのに視聴者が入ってこない状態です。

共通点⑤:半年経たないうちに「効果がない」と判断している

先ほどの調査には、もうひとつ見逃せない数字があります。撤退・中止を経験した企業のうち、53.2%が半年以内に「限界」と判断しているという結果です(3か月未満と3〜6か月未満の合計)。

一方で、クルマの購買サイクルは車検で2年、買い替えとなると数年単位です。3ヶ月で結論を出すのは、種をまいた翌月に収穫がないと言っているのに近い。ここが、YouTubeが「向いていない」と誤解される最大の原因だと思っています。

半年で判断するなら、半年ぶんの本数を出してから

ただし「とにかく続けましょう」と言いたいわけではありません。問題は期間ではなく本数です。半年で10本しか出していないなら、それは半年やったのではなく10本やっただけです。判断するなら、決めた本数を出し切って、表示回数・クリック率・視聴維持率のどこで落ちているかを一度は見てからにしてください。

問題は「発信量」ではなく「設計」

5つ並べてみると、動画のクオリティの話がひとつも出てこないことに気づくと思います。伸びない会社の原因は、編集が下手だからでも、カメラが安いからでもありません。ほぼ全部、始める前に決めておくべきことを決めないまま走り出したことが原因です。

逆に言えば、伸びている会社が特別なことをしているわけでもありません。違いはこれだけです。

伸びない会社伸びる会社
企画の返事をする人が決まっていない窓口と返信期限が決まっている
出演者をその場で決めている出る人と撮影日が固定されている
再生数・フォロワー数を追う来店数・問い合わせ数・成約数を追う
ショートか長尺のどちらかだけショートで認知、長尺で教育を分担
3ヶ月で「効果がない」と判断本数を出し切ってから数字で判断

実際、この設計ができている支援先では、YouTubeを見てから来店されたお客様について、来店後の商談時間が約50%短くなり、月間の平均販売台数が200%を超えた例もあります(8fect調べ/一部の支援先での実績・YouTube視聴経由の来店客についての数値)。動画で先に説明が終わっているので、来店した時点でほぼ話がついている状態になるからです。

よくある質問

YouTubeは何本くらい投稿すれば効果が出ますか?

本数だけで断言はできませんが、10本前後で判断するのは早すぎます。最初の数本は、企画も話し方も撮り方もまだ噛み合っていないのが普通だからです。目安は週1本を半年続けて約26本。ここまで来ると、伸びる企画と伸びない企画の傾向がデータで見えてきます。

社長が話すのが苦手でも、YouTubeはできますか?

できます。というより、話すのが上手い社長より、朴訥に話す社長のほうが信頼されることは珍しくありません。台本を一言一句書くのではなく、質問形式にして答えてもらう、作業をしながら話してもらう、といった撮り方で解決できます。大事なのは流暢さではなく、その車について本当に詳しいかどうかが伝わることです。

運用代行に頼めば、この5つは解決しますか?

正直に言うと、③④は代行側で設計できますが、①②は会社側でしか決められません。窓口を誰にするか、誰が出るか、いつ撮るか。ここが決まらないまま外注しても、運用会社を変えても結果は変わらないというのが実感です。逆にこの2つさえ決まっていれば、外注する価値はかなり大きくなります。

まとめ

  • 企業の62.7%がYouTube運用を撤退・中止しており、その最大の理由は「再生数が伸びない」ではなく「営業成果に繋がらない」
  • 伸びない会社の原因は、動画のクオリティではなく、始める前の設計にある
  • 会社側で決めるべきは「企画に返事をする人」と「出る人・撮る日」の2つ
  • 追う数字は再生数・フォロワー数ではなく、来店数・問い合わせ数・成約数
  • ショートで認知、長尺で教育。片方だけでは売上につながらない

まずは次の撮影日と、企画に返事をする担当者を決めるところから始めてみてください。それだけで、止まっていたチャンネルが動き出すことは本当によくあります。

車屋・バイク屋専門のSNS運用代行・映像制作なら8fect

株式会社8fectは、車屋さん・バイク屋さん専門のSNS運用代行・映像制作会社です。代表の渡邊は二輪部品商と輸入車専門店の出身で、現場の事情を分かったうえでYouTube・Instagramの運用設計から撮影・編集までを一貫して行っています。「今のチャンネルのどこで止まっているのか知りたい」だけのご相談も歓迎です。

この記事を書いた人

渡邊 大地(わたなべ だいち)/株式会社8fect 代表取締役

二輪部品商で3年、輸入車専門販売店で5年。EC立ち上げ、SNS運用、映像制作を売る側の現場で担当してきました。2026年1月に独立し、いまは中古車販売店などの車屋さん・バイク屋さんだけに特化して、YouTube・Instagramの運用代行と映像制作をしています(累計40社以上を支援)

大阪自動車青年会議所、近青協情報委員会、滋賀自動車整備振興会などで、車屋・バイク屋向けのSNS運用について講師を務めています。大阪府在住。

Instagram | threads | YouTube | 公式LINEで無料相談する