車屋がInstagramで集客するには?在庫紹介だけでは伸びない理由
「在庫が入るたびに写真を上げているのに、いいねが10件くらいで止まる」
「フォロワーは少しずつ増えているけど、そこから来店にはつながっていない」
車屋さん・バイク屋さんのInstagramを見せていただくと、9割はこの状態です。そして、投稿内容はほぼ在庫紹介です。
この記事を書いているのは、株式会社8fectの渡邊です。二輪部品商で3年、輸入車専門の販売店で5年、売る側の現場でECとSNS運用・映像制作を担当してきました。いまは中古車販売店などの車屋さん・バイク屋さん専門の運用代行として累計40社以上を支援しています。在庫紹介が悪いのではなく、在庫紹介「だけ」だとポータルサイトに勝てない、というのがこの記事の主張です。
結論:在庫紹介だけのアカウントが伸びない3つの理由
- 情報量でも検索性でも、グーネット・カーセンサーに勝てないから
- 「今すぐ買う人」しか反応せず、潜在顧客が素通りするから
- 誰がやっている店なのかが分からず、フォローする理由がないから
順番に見ていきます。
なぜ在庫紹介だけだと伸びないのか
ポータルサイトとまともに戦っている状態になっている
お客様が「この車種の中古を探そう」と思ったとき、最初に開くのはInstagramではありません。グーネットやカーセンサーです。年式・走行距離・修復歴・支払総額で絞り込めるし、比較もできます。
| ポータルサイト | ||
|---|---|---|
| 得意なこと | 条件で探す・比較する | 知らない人にも届く |
| 見ている人 | もう買うと決めている人 | まだ決めていない人 |
| 伝わるもの | 車両のスペックと価格 | 人柄・こだわり・店の空気 |
| 勝負どころ | 在庫数と価格 | 「この人から買いたい」 |
在庫紹介だけのアカウントは、ポータルが得意な土俵で、ポータルより少ない情報量で戦っていることになります。これは「カーセンサーの下位互換」になるということです。
Instagramの役割は「売ること」ではなく「知ってもらうこと」
クルマは「今日見て今日買う」商材ではありません。動画を見た人の大半は、数ヶ月後、あるいは1年後に動くお客様です。
だからInstagramの本当の役割は、まだ買うと決めていない人に普段から接触し続けて、いざ買い替えのタイミングで真っ先に思い出してもらうことにあります。在庫紹介は「今すぐ買う人」にしか刺さらないので、この役割をほとんど果たせません。
Instagram/リールで認知を取り、YouTubeの長尺で信頼を作る。この2段構えで初めて、SNSは売上を作る武器になります。前提の部分は車屋にSNS運用が必要な4つの理由で詳しく書いています。
何を投稿すればいいのか:車屋の投稿4分類
「在庫紹介以外に何を出すのか」がいちばん困るところだと思います。実際の運用では、次の4つに分けて考えています。
| 分類 | 内容 | 狙い |
|---|---|---|
| ①不安解消 | 維持費、修理費の相場、購入時のチェック項目 | 来店前の不安をつぶす |
| ②専門知識 | その車種の弱点、カスタムの可否、整備のリアル | 「詳しい店」だと伝える |
| ③人・店 | スタッフ、作業風景、納車、日常 | 「この人から買いたい」を作る |
| ④在庫・入庫 | 新しく入った車両、こだわりの1台 | 今すぐ客の受け皿 |
④だけになっているアカウントを、①〜③を足して4分割にする。それだけで反応が変わることは珍しくありません。
ネタは「お客様の質問」の中にしかない
①と②のネタ出しに、企画会議は要りません。店頭でよく聞かれること、来店前に不安そうにされていることが、そのままテーマになります。
| お客様の質問 | 投稿タイトル(例) |
|---|---|
| 「輸入車って維持費高いですか?」 | 「輸入車の年間維持費、正直に全部お見せします」 |
| 「この価格帯で本当に大丈夫?」 | 「100万円台の輸入車、買っていい車・ダメな車の見分け方」 |
| 「修理ってどのくらいかかりますか?」 | 「知らないと損する、修理費用の相場を公開します」 |
1日に何回も聞かれている質問こそ、検索されている質問です。難しく考える必要はありません。むしろ、店側が「こんな当たり前のことを出しても」と思っている内容ほど、業界の外の人には知られていません。整備の手順、下取り査定でどこを見ているか、納車前に何をしているか。現場では日常でも、お客様からすれば初めて見る中身です。
リールは最初の3秒で決まる
Instagramで新しい人に届くのは、ほぼリールです。そしてリールは、最初の3秒で指が止まらなければ、どれだけ中身が良くても見られません。伸びないリールの原因の多くは、内容ではなく冒頭にあります。
スクロールを止めるフックの型5つ
- 禁止・警告型:「この方法でカスタムするのは絶対にダメです」
- 数字・実績型:「日本に1台しかない、ここだけの車です」
- 意外性型:「実はこのカスタム、車検通ります」
- 逆張り型:「高額パーツより先にやるべきことがあります」
- 問いかけ型:「こんな車、見たことありますか?」
在庫紹介の投稿でも、冒頭を「今日入庫した◯◯です」から「この年式の◯◯、ここだけは絶対に見てください」に変えるだけで、止まる人の数が変わります。
「バズらせにいく」と客層が変わる
ここは強調しておきたいところです。伸ばそうとして流行りの音楽に合わせて踊る、とにかく面白いことをする、という方向に進むと、たしかに再生数は出ます。ただし集まってくるのは、その面白さに反応した人であって、クルマを買う人ではありません。
| 発信のハードル | やっていること | 結果 |
|---|---|---|
| 低すぎる | 流行りに乗る・ネタに走る | 客層が下がる・ブランドが崩れる |
| ちょうどいい | 専門知識・こだわり・不安の解消 | 「この店に行きたい」と思われる |
| 高すぎる | 発信しない・情報が少ない | 敷居が高そうと思われ、届かない |
「有名になりたい」なら流行りに乗るのが正解です。でも「売上を上げたい」なら、自店のブランドに合う高さを選ぶ必要があります。とくに高単価の車両を扱っているお店ほど、ここを間違えると影響が大きくなります。バズった投稿を見て集まった人と、実際に数百万円を出すお客様は、まったく別の層だからです。再生数が伸びた翌月に問い合わせが減る、ということも起こり得ます。
投稿を増やす前に、プロフィールを直す
リールが伸び始めると、必ずプロフィールを見に来る人が出ます。ここで何が置いてあるかで、問い合わせに進むかどうかが決まります。最低限そろえるべきは次の4つです。
- 何屋か:「◯◯専門」「◯◯エリア」が1行で分かること
- 誰がやっているか:店名だけでなく、人が見えること
- ハイライト:在庫、納車事例、よくある質問、アクセス
- 連絡先:LINEか電話か、どこを押せばいいかが迷わないこと
投稿を100本増やすより、プロフィールを1回直すほうが問い合わせが増える、ということは普通に起きます。
よくある質問
Q. 投稿頻度はどれくらいが正解ですか?
A. 毎日出せるならそれに越したことはありませんが、続かない本数を目標にすると3週間で止まります。現場が忙しい業種なので、週1〜2本を半年続けられる体制のほうが、結果的に本数は積み上がります。
Q. 顔を出さないとダメですか?
A. 必須ではありません。手元、作業、エンジン音だけで成立する企画もあります。ただし「誰がやっている店か」が伝わらないと③の人・店の投稿が作れないので、顔出しをしないなら、声や文章で人柄を出す設計が必要になります。
Q. フォロワーが少なくても意味はありますか?
A. あります。リールはフォロワー以外にも届く仕組みなので、フォロワー数がそのまま集客力にはなりません。追うべきなのは、保存数・プロフィールへのアクセス数・そこからの問い合わせ数です。
まとめ
- 在庫紹介だけのアカウントは、ポータルサイトの土俵で情報量が少ないまま戦っている状態
- Instagramの役割は売ることではなく、まだ買うと決めていない人に思い出してもらうこと
- 投稿は「不安解消・専門知識・人と店・在庫」の4分類で組む。ネタはお客様の質問の中にある
- リールは最初の3秒。ただしバズを狙いにいくと客層が変わるので、自店に合う高さを選ぶ
- 投稿を増やす前に、プロフィールと問い合わせ導線を整える
まずは直近10投稿を並べて、4分類のどこに偏っているかを見てみてください。だいたい④「在庫・入庫」だけになっているはずです。
車屋・バイク屋専門のSNS運用代行・映像制作なら8fect
株式会社8fectは、車屋さん・バイク屋さん・関連事業者に特化したYouTube・Instagram運用代行と映像制作を行っています。元二輪部品商・元輸入車専門店スタッフとして10年以上現場にいた代表が、「バズ」ではなく来店・問い合わせ・売上につながる設計から一緒に考えます。
「うちのアカウントはどこで止まっているのか知りたい」だけのご相談も歓迎です。実績・サービス内容・料金は公式LINEからご確認いただけます。
この記事を書いた人
渡邊 大地(わたなべ だいち)/株式会社8fect 代表取締役

二輪部品商で3年、輸入車専門販売店で5年。EC立ち上げ、SNS運用、映像制作を売る側の現場で担当してきました。2026年1月に独立し、いまは中古車販売店などの車屋さん・バイク屋さんだけに特化して、YouTube・Instagramの運用代行と映像制作をしています(累計40社以上を支援)
大阪自動車青年会議所、近青協情報委員会、滋賀自動車整備振興会などで、車屋・バイク屋向けのSNS運用について講師を務めています。大阪府在住。
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